メンタルヘルス対策は「福利厚生」ではなく「安全配慮義務」の問題ですストレスチェック制度の義務化と、広がる対象範囲労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度は、常時50人以上の労働者を使用する事業場に対し、年1回の実施が義務付けられています。実施後の集団分析や、高ストレス者への医師面接指導も制度の一部です。報告義務の違反には、50万円以下の罰金が科される可能性もあります。さらに注目すべきは、2025年の法改正です。これまで「努力義務」とされていた50人未満の事業場にも、ストレスチェックの実施義務が拡大されることになりました。規模の小さな職場にとっても、メンタルヘルス対策はいよいよ「他人事」ではなくなっています。そもそも、こうした制度の背景にあるのは「安全配慮義務」です。使用者は労働者の心身の健康を守る法的責任を負っており、メンタルヘルス対策はその義務の一環として位置づけられます。福利厚生のように「やってあげる」ものではなく、やらなければならない経営上の責務なのです。制度を整えても、職場の空気は変わらないストレスチェックを実施すること自体は、決して難しくありません。しかし多くの職場で課題となるのは、制度を整えた先の話です。数値として見えてきた「高ストレス者」に、どう関わればいいのか。 面接指導につないでも、日常の職場環境が変わらなければ、根本的な解決にはなりません。職場でのストレスを高める要因のひとつに、「感情のコントロールが効かない人間関係」があります。具体的には、上司のイライラや不機嫌が、場の空気を重くする注意や指導の言い方が高圧的で、萎縮や離職につながる感情的な言動が続くことで、心理的安全性が損なわれるといったことが、日常的に起きています。ストレスチェックはこうした状態を「見える化」するツールですが、状態を改善するためには別のアプローチが必要です。感情の扱い方を学ぶ「アンガーマネジメント」そこで近年、企業のメンタルヘルス対策の文脈で注目されているのが、アンガーマネジメントです。アンガーマネジメントとは、怒りの感情を「なくす」ことを目指すものではありません。怒りのメカニズムを理解し、衝動的な言動をコントロールし、感情に振り回されずに冷静に行動する力を育てるものです。管理職やリーダー層がこのスキルを持つことで、指導・注意の言い方が変わり、部下との関係性が改善する不機嫌や威圧感を職場に持ち込まなくなる結果として、離職率の低下や職場の心理的安全性の向上につながるといった変化が期待できます。ストレスを「測る」だけでなく、「整える」職場へストレスチェックで現状を把握し、アンガーマネジメントで感情環境を整える。この二つを組み合わせることで、職場のメンタルヘルス対策はより実効性のあるものになります。人が辞める前に。関係が壊れる前に。制度の整備と同時に、職場の感情環境にも目を向けてみてください。職場のメンタルヘルス対策、何から始めればいいかわからない方へ「ストレスチェックは導入しているけれど、その先が課題で…」 「管理職の言動が職場の雰囲気に影響しているかもしれない…」そんなお悩みをお持ちの経営者・総務ご担当者様、まずはお気軽にご相談ください。 職場の状況をお聞きしたうえで、貴社に合ったアプローチをご提案します。▶ 研修依頼や・ご相談はお問い合わせから