怒りの範囲アンガーマネジメントを自分が使う立場から人に教える立場になってわかったこと。あきらかに「怒り」の範囲の捉え方が狭い方が多いなあと感じました。ざっくり言ってしまえば「怒りの感情をコントロールしましょう」というもので、怒りの感情全般が範囲になります。日本には怒りの感情を表す言葉がたくさんあります。怒る、頭に血がのぼる、イライラする、カチンとくる、堪忍袋の緒が切れる、キレる、逆上する、激怒する、腹が立つ、憤慨する、ムカつく、ウザい。こう見ても怒りの程度や範囲は幅広いはずですがアンガーマネジメントを学びましょうと聞くとどうもハードな方の怒りをイメージする人が多いようです。「怒り」という言葉を使うからかも知れませんが、確かに日常のなかで感情をあらわにして怒りまくっている人はごく限られているでしょう。だから「私はそんなに怒りっぽくないよ」と言うのかも知れません。感情をあえて喜怒哀楽の4つに分けたときに喜哀楽に入らないものは全部怒りの感情と思ってほぼ間違いありません。アンガーマネジメントが重要に考えているのはむしろ日常に潜む「怒りの感情」です。職場のパワハラもほとんどがこれです。はぁ?なんでこんなことするかなー。せっかくしてあげたのにー。それっておかしくない?普通こうでしょ。聞こえるように舌打ちをする。聞こえるようにため息をつく。この時に一瞬発生している感情は全て「怒りの感情」に入ります。負の感情と言い換えた方がわかりやすいかも知れません。気づいていないのか、日常が忙しすぎてやり過ごしてしまうのか。忘れてしまうのか。いずれにしても、実際には個人差はあれども、かなり「怒りの感情」は頻繁に発生しているように感じます。日本人にとって「怒り」という単語の意味は直感的にアウトプットされているイメージが強いのかも知れません。感情をアウトプットで表現するのが一般的な欧米の方と違って、日本人はあまり感情を表に出しません。だから「私は怒ってない」と思うのかも知れません。誤解を恐れずに言えば、内なる怒りの感情は陰湿的な傾向が強い日本人の方が多いのではないかと思ってしまいます。怒りという言葉の誤解。「怒り=悪者」と思っているから、良い人に思われたい人は「私は怒ってない」と言う理屈は勘繰りしすぎでしょうか。