親からの感情コントロールの相談を受けるとこれらが見受けられます。● 子どもがやることは、すべて親が決めている。● 子どもが何かするときは、親が先回りしてなるべく失敗させないようにしている。● 子どもが親の思い通りにならないと、イライラして感情的になる。愛する子どものために、よかれと思ってやっているということが大盛りで伝わってきます。そして一様に自分は正しいことをしていると言って譲りません。私間違ってますか?親なら普通ですよね。先生もそう思いますよね?これは親のスキーマ(べき思考)が深く強く、呪いになっています。愛憎という言葉があるぐらいですから強すぎる愛は憎しみを生んでしまうかも知れません。しかし、子どもも自分の考えや価値観を持った1人の人間です。子どもが小さいうちは言うことを聞いてくれるかも知れませんが思春期になると一様に反抗しはじめます。「何か言えば言うほど関係が悪化します……」という悩み相談が一気に増えるのも、この時期です。自分の子とはいえ人格的には他人です。悪循環を断ち切るためには、自分の子でも基本的に「他人は変えられない」と親が割りきる必要があります。親と子は別人格ですから、親がいいと思うことが必ずしも子どもにいいとは限りません。むしろ親が子どものことを思えば思うほど、その愛情が形を変えて怒りになりがちなのです。親の心配や不安、焦りで子どもへの期待や不信感から過干渉が続いていくと、子どもは反撃するか逃げることになります。子どもから心は放さず、口と手は離す覚悟が必要です。